| 「待ってもらった分だけおいしい」「基本の大切さ」 2007.8.30 |
8月30日、経営対策本部主催で「わが商売を語る会」を行いました。今回は製麺業を営む中央支部の野口さんから報告をいただきました。
野口さんは野口製麺所の4代目で、100年を超える歴史。製麺業では一般的と言っていましたが、参加者全員が歴史の長さに一様に驚いていました。 |
| 製麺業も不況で大変 |
はじめに今の製麺業の現状についてお話していただきました。
野口さんが加入している製麺業の組合では平成直前には210件が加入していたのが、今では廃業・倒産で600件まで減少。大手は赤字覚悟で安売りの価格競争に入っている。本来うどん一玉の原価22〜23円をスーパーでは18円で売っている。卸にすると13円になる。価格競争ではつぶしあい。消費者も安ければいい感覚になっているそうです。最近では大手コンビニチェーンに卸している会社が、倒産直前に役員を送り込まれてのっとられたそうです。 |
| 製麺業だけではやっていけない |
商店街や市場が元気だったころが一番自分の商売も元気だったと振り返り、平成元年に一日400〜500個卸していた得意先が、今では一日10個に減ってしまったと話されました。7〜8年前には最大の取引先のそごうも倒産、売り上げは250万円だったそうです。
だからと言って、自分は絶対に価格競争には入っていけない。得意先もこの先10年で何件残っているかわからないと思っていたと話されました。 |
| 食べてもらうまで付き合いたい |
得意先の開拓などもしていたが、自分で作っているからには、最後までお客さんに付き合いたいとの思いも大きかった。そこで民商を含めていろんなイベントで出店をされたそうです。
昨年の12月頃からは製麺所で月1回2時間だけ釜揚げうどんを実験的に始めたところ、開くたびにお客さんが増え続けて長蛇の列に。来たお客さんがニコニコしながら食べて帰っていくのが楽しくて仕方なかったと語っていました。 |
| 遂に自分でうどん屋をやることに |
今年4月、一番の得意先が閉店することになったことがきっかけ。どうせなら自分に店を続けてやらせて欲しいと頼み込んで、引き続きお店をやることになったそうです。
野口さんは、今考えても流行どころかジリ貧に飛び込んだが、個人商店の良さを出せば勝負になるのではないかと思っている、まだ数ヶ月しか経っていないので結果はでていない、自分のやりたいことをやっている、家族にはわがままに付き合ってもらっているのが現状と話されます。
コンセプトは待ってもらうこと。生麺をお店まで運んでその場で茹でるそうです。待ってもらった分だけおいしいものを出せると自信を持って語っていました。
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| お店の経営はとんとん。でも着実に見える成果も。 |
生麺を茹でるのには15分以上かかるため、始めた頃は怒って帰る人も多かった。今はまだ店の経営はとんとんの状態だが、昼食時が過ぎてもお客さんが来る、たまに満席になることも。またあまり一人でうどん屋に来ないような若い女性も来るようになったそうです。製麺業でも自分のうわさを聞いた得意先の2件がざるそばを生麺に変えてくれたとうれしそうに話されていました。
今野口さんが困っていることは、睡眠時間。夜明け前の2時に起きて製麺の仕事をやってから朝7時にお店を開く、そのまま夜の8時までお店があるので1日3時間しか眠れない。お店の夜の時間を任せられる人を探しているそうです。 |
| 参加者からの感想や助言 |
| 参加者からは「店員を雇うなら自分の代わりを任せられる人がいいよ」という助言や「自分も昔は待ち時間を聞かれるのが嫌で苦手だったが、今ではできたてを売りにしているので堂々と言えるようになった」という感想。「基本の部分にこだわることが大切。大それたことではないけれど、それが一番大事」などの感想がだされました。 |
| 「いんふぉめーしょん」NO.632 2007.9.10 より |