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 吹田市議会は、「吹田市産業振興条例」を全会一致で採択し、2009年4月1日施行されました。
 民商は、1990年代半ばから「振興条例制定」を一貫して要望してきました。2002年には「吹田市の産業施策立案にあたっての提言」、2005年には「吹田市商工振興ビジョン素案(案)に対する意見」を発表して提案型の運動を行ってきました。2007年に条例の審議が始まると、独自の条例案も提案して討議に積極的に関わってきました。
 今回制定された条例には民商が提起した数多くの文言が組み込まれています。条例の制定は10数年間に及ぶ民商運動の成果です。
 ※吹田市産業振興条例(2009.4.1施行)全文はこちらからご覧ください。

産業振興条例 商売と経済活性化の力に=大阪・吹田
商工新聞9月6日付で、吹田の産業振興条例の取り組みが紹介されました。
地域経済の活性化などを目的に、全国の自治体で制定が進む中小企業振興基本条例。大阪府吹田市では、吹田民主商工会(民商)の独自の条例案も生かされ、09年4月、「吹田市産業振興条例」として施行されました。それから1年5カ月。吹田市を訪ねてみると…。

地域で生き抜くバックボーンに
 「条例は商店街振興にとって大きなバックボーンになっています」。こう話すのは、地元で40年以上、スポーツ用品店を営む旭通商店街協同組合の谷本英洋理事長です。
 フランチャイズ店も含め個店が、商店会に加入するよう努力することが条例に書き込まれたからです。
「条例は商店街振興のバックボ
ーン」と話す谷元理事長
 商店街にとって大事なのは、空き店舗をつくらず連動性を維持すること。それだけに組合の未加入問題は大きな課題となっていたのです。
 「条例は強制ではないが、加入するよう努力を促している。大きな変化です」と谷本理事長はいいます。
 「大手さんは商売がうまくいかなければ『はい、サヨナラ』で商店街を出るだけ。私たちはそうはいかない。地域に愛着を持ってここで生き抜いていくしかないんですよ」

受注増やそうと企業紹介サイト
 条例審議にかかわるなかで「地域を見直した」と話す社長もいます。吹田市江坂町でコンサルタントを行う有限会社総合システム研究所の高木学さんです。
 大阪府中小企業家同友会北摂支部長でもある高木さんは、条例を審議した「市商工業振興対策協議会」(協議会)のメンバーの一人。
「条例は地域で生きていける土台
となっている」と話す高木さん
 議論にかかわる中で江坂地域でも廃業率が創業率を上回っていることにびっくり。今では「江坂が好き」を合言葉に、創業支援・事業者の定着や中小企業者の受注機会の増大などを目的とした企業紹介サイト「江坂-大阪どっとJP」を開設しています。

条例制定までの議論の積み上げ
 商店主、中小企業の「地域を見る目」を変えてきた吹田市の産業振興条例。その背景には、協議会の長期にわたる議論の積み上げがありました。
 吹田市で条例制定の議論が始まったのは3年前の07年8月。審議の母体となった協議会が、20回近い審議を重ねたことを踏まえ、市議会は09年3月、全会一致で条例を可決。4月1日に施行しました。
 その条文は、担当した市産業労働にぎわい部の江原眞二総括参事が「小さなところまで含めると、50回以上は書き直した」と語るほど、練りに練ったもの。先の高木社長も「いろいろな人の意見を取り入れたのが吹田の条例。一つひとつの言葉に意味や思いが込められている」と強調します。例えば企業誘致を行う場合に「地域経済の循環と活性化に資する」ことを明記したのも大きな特徴です。

民商の提案で施策の実現も
振興条例の具体化等について話し合う
吹田民商のメンバー
 吹田民商は、条例制定の審議が始まった直後に独自の条例案を提案。協議会でも積極的に発言してきました。協議会メンバーの井上かず子さん(市消費者団体協議会委員)は「民商さんは議論の肝心なところで発言してまっすぐな条例になるよう努力されました」と高く評価します。
 条例の議論と並行して、民商が提案してきた、JR吹田駅周辺のまちづくり協議会の設置や就労支援組織「ジョブカフェ吹田、ジョブナビ吹田」なども次々と実現されました。

全事業所調査と三つの専門部会
 条例制定後、今年1月には市が全事業所を対象にしたアンケート調査を実施。回収率は20%(約1600社)にとどまったものの、具体的な要求が見えてきました。事業所の3分の2が、この3年間で売り上げが「減少」したと回答したほか、国や自治体に対する要望として「無担保・無保証人融資枠の拡大」(25%)、「国保料の引き下げ」(23%)、「消費税の引き下げ」(20%)などが大きな割合を占めていることも明らかになっています。
 さらに条例の具体化を協議する三つの専門部会((1)全事業所実態調査(2)企業誘致・創業支援(3)商業の活性化に関する要領・要項制定)を協議会の下に設置。その検討が始まっています。
「条例の具体化を図りたい」と話す
吹田民商の村上副会長

条例の具体化へ幅広く意見交換

 一方、民商はじめ多くの業界団体が要望してきた官公需の地元発注率はいまだに5割を切っているのが実態。先の江原参事も「具体的な課題はまだまだ模索・研究中」とし、条例を生かす運動は緒についたばかりです。
 市内で縫製業を営んで14年になる吹田民商副会長の村上一郎さんはいいます。
 「最初のころは難しくて条例と自分の商売に距離があった。大事なのは、条例を商売や経営にどう生かすか。民商の中はもちろん、業界団体の人たちとの意見交換を通じて具体化を図っていきたい」




▼地域経済振興条例
 名称はさまざまだが、理念を明確にし、地域づくりの主体として中小企業・業者を位置づけ、自治体や中小企業、大企業、市民などの役割を明記した条例。産業振興ビジョンなどと違い、首長や担当職員が交代しても継承される。1979年に東京都墨田区で初めて制定され、これまで55自治体(10年2月、全商連調べ)に広がっている。
2010.9.16

全商連夏期研究集会 (9月11日~9月12日)
「中小企業・中小業者がになう持続可能な地域づくりへの挑戦」をテーマに、全商連付属中小商工業研究所主催の「夏期研究集会」が、埼玉県川越市で開催されました。吹田民商の西尾事務局長は「産業振興条例の制定と、これを生かし中小業者の実態調査や官公需のあり方の改善などの経験を報告しました。
   ■西尾事務局長の報告資料はこちらからご覧ください。
2010.9.15

第52回 自治体学校 in 福井 (7月31日~8月2日) 
「守ろう! 憲法にもとづく地方自治、検証しよう! 「地域主権」をスローガンに、第52回自治体学校が福井市で開催されました。吹田民商の西尾事務局長が、「吹田市産業振興条例」について報告しました。
  ■西尾事務局長の報告資料はこちらからご覧ください。
2010.9.15

自らの商売と地域に役立つ「振興条例」に育てよう
 8月18日、19日の2日間、全国商工新聞の記者である渡辺さんが吹田市産業振興条例の取材に来られました。産業労働にぎわい部、旭町商店街や中小企業家同友会の役員さん、消費者団体の役員さんなど多くの皆さんから取材のご協力をいただきました。この条例には、民商にも特別の思い入れがありますが、取材をさせていただいた其々の皆さんにも其々の思い入れがあることが、お話を聞いてよくわかりました。特に、旭町商店街の役員さんのお話は新鮮でした。自分のご商売や商店会の活動を通して、地域に貢献されている実態を知ることができました。粘り強く、商店会の皆さんをまとめて運営されていることもわかりました。民商の役員さんも、献身的に行動されている点では同じですから、理解しあえる点が沢山あると感じました。19日の夜にはフランス留学から帰ってこられた名城大学の井内先生を交えて学習懇談会を持ちました。この日の取材の内容は近いうちに全国商工新聞に掲載されることになっています。
 吹田市産業振興条例は昨年に引き続き全国から注目を集めています。7月31日から福井県で開催された自治体学校や9月11日から開催される全商連の夏期研究集会で報告してほしいとの要請を受けています。8月には自治体研究者から「中小企業振興条例で地域をつくる」(詳しくはこちらから)という本が出版されましたが、ここには京都大学大学院教授の岡田先生からの要請で西尾局長が吹田市産業振興条例をレポートしています。関心をお持ちの方はご連絡ください。
吹田民商「いんふぉめーしょん」No.774 10.8.30

書籍のご案内
1905円+税
A5版  209ページ
自治体研究社発行

吹田市産業振興条例の具体化に向け事業進む
 条例の具体化に向けて産業労働分野の施策が着実に進みつつあります。吹田市商工業振興対策協議会の下に、企業誘致、全事業所実態調査、商業活性化要綱作成の3つの専門部ができ協議が始まっています。民商からも其々3名が参加して他の業者団体や府民団体の皆さんと一緒に協議しています。
 様々な分野の実態調査も計画され実行に移され始めました。旭町や片山の商店街には関西大学と協力して「後継者」問題の調査や消費者を対象にした買い物調査が行われています。製造業に対しては直接事業所を訪問して実態の把握が行われています。農業の分野では「地産地消」を促進するための調査が、労働の分野ではニート・ひきこもりなどの雇用・労働調査が行われます。そして、全事業所実態調査も年度内に行われます。
 民商は8月12日に、農業分野、労働分野、商業分野の事業の進展状況を担当の職員の皆さんから聞き取りました。部に昇格したことや頻繁な人事異動がなくなったこと、そして、何よりも産業振興条例ができたことで施策が継続して実行に移されようとしていることを感じ取りました。異論がある部分もありますが、職員の皆さんもよく奮闘されています。
 様々な実態調査が成功するよう会員のみなさんにもご協力をお願いします。実態調査終了後が本格的な施策づくりです。全国の経験に学び、すいたに適した施策になるよう、私たちも学習を強めましょう。
吹田民商「いんふぉめーしょん」No.727より 09.8.24

これまでの記事
更新日 内  容
2010.9.16 産業振興条例 商売と経済活性化の力に=大阪・吹田
2010.8.30 自らの商売と地域に役立つ「振興条例」に育てよう
2010.8.4 書籍のご案内~「中小企業振興条例で地域をつくる」
2009.12.20 『第7回中小企業のまち民間サミット』報告 『吹田市産業振興条例』制定前後の産業施策の展開
2009.12.14 吹田市が行う全事業所実態調査を成功させよう
2009.12.7 吹田市「産業労働にぎわい部」と懇談
2009.11.26 「地域経済振興条例各地で(しんぶん赤旗11.23付)
2009.11.25 地域の独自性を踏まえた地域経済政策を
2009.8.24 吹田市産業振興条例の具体化に向けて事業すすむ
2009.4.1 運動実り「吹田市産業振興条例」4月1日から施行
2009.2.17 「業者は人間を大切にする社会実現の役割はたす」
2008.12.31 吹田民商が提案した「中小零細企業の活性化、雇用の安定等実効ある経済対策を求める意見書」を吹田市議会が全会一致で採択!
2008.12.12 岩根良さんを講師に迎えて「振興条例学習会」を開催
2008.12.4 吹田市「産業労働にぎわい部」と懇談
2008.2.22 吹田市「産業労働にぎわい部」と懇談
2008.11.27 第26回「吹田まちづくり・くらし・市政を考える研究集会」地域経済振興条例について話合いました!
2007.11.15 「吹田市中小企業振興基本条例(仮称)」制定に向けた提言
2007.10.31 実効性のある中小企業支援の条例を!
2005.9 吹田市新商工振興ビジョン素案(案)に対する意見
2002.11 吹田市の産業振興政策立案にあたっての提言